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                                  2004年9月16日 冒頭陳述
                                           団長 辻 公雄

 イラク派兵差止訴訟第1回口頭弁論にあたり、弁護団代表として一言申し上げます。

一、イラク派兵の本質
  ○イラク戦争を客観的数字からみますと
   米軍死者・・・     イラク戦争終結宣言まで120名
                 以降9月7日まで881名
                 合計死者1001名、負傷者6000名以上
   イラク民間人の死者・・・2万〜3万人以上・負傷者その10倍
   日本人の被害・・・   拉致5名、殺害2名。その他韓国、オランダ、フィリピン人などの拉致と
                 殺害被害多数。
   死者の数は9月15日にも47人死亡、1日平均10人内外で増加
  ○財政的には
   アメリカの支出年10兆円、日本の支出5500億円
   無傷のイラク石油省ビルと油田
  ○これがイラク侵略の実態です。
   アメリカ企業の石油利権獲得のためのイラク侵略と追従する日本の派兵であることが明々白々
   です。

二、情報操作と狂気の世界
  ○しかるに、自衛隊と報道協定をさせ、またそれに従う政府・マスコミ幹部の情報操作により、大
   量破壊兵器の存在を捏造して行われたイラク派兵を、国際貢献、人道支援と決めつけられて
   います。平和憲法を蹂躙する武断主義と問答無用の憲法改正の波が押し寄せています。
  ○日本全体が暴走し、憎悪と暴力の連鎖に陥っている狂気の現状に戦慄を覚えます。

三、議論できるのは司法の土俵への期待
  ○このような武断主義の横行に不安と不満を持つ人々が充満しているのに関わらず、新聞やテ
   レビはなかなかその声を取り上げようとせず、議論の土俵さえ抹殺される状況です。
  ○我々は、自分たちそして世界の人々の自由と生命と財産の保護を求めて提訴しました。
   冷静な議論は司法の土俵でしかできないという思いから、最後の砦として司法に期待すること
   にしました。

四、基本的事項としての戦争の認識
  ○我々の全存在と未来がかかっている問題に対し、まず戦争についての事実の認識から出発し
   てほしいと考えます。
  ○少数の強者の論理で強行される武力行使の結果はどのようなものなのか、3通の写真を提
   示しておきます。
   1通はイラク戦争の劣化ウランによる正視に耐えない幼児の被害の惨状の写真で、つづく1通
   はイラク兵捕虜虐待の写真です。もう1枚はぐったりした幼児をおぶった年端もいかない日本の
   少年写真です。原爆投下で亡くなった幼い弟をおぶって、火葬場にやってきて歯を食いしばり
   唇に血が滲んでいるいたいけな少年です。
   これ以上のコメントは各人で感じ取ってください。

五、歴史的使命と審判
  ○多くの生命と財産、青春と自由、そして人生を犠牲にしてやっと手に入れた平和憲法、半世
   紀以上日本の平和維持に役立った現行憲法を一方的にないがしろにして、日本社会は武
   断主義に大きく舵をきり、我々の安全を脅かそうとしているのです。
  ○憲法の機能の察知に一番近いところにいる司法関係者は、特に憲法を擁護し国民の安全
   を守る職業的使命があるのではないでしょうか。
   机上で空論を唱えている間に私たちの未来が壊滅させられることを座して待つことが許される
   でしょうか。
   歴史上の重要な分岐点に遭遇した者として工夫をこらし全力でそ使命を達し、歴史的審判
   に耐える行動をとる責任があると思います。
  ○半世紀以上の歴史と、日本そして世界中の平和を求める人々の熱い視線が裁判所に注が
   れています。
   万感を胸にして、私の残された人生をこの裁判にかけ、平和を求める人々の熱い鼓動が裁判
   所に共鳴する日の来ることを希求して私の冒頭陳述と致します。



 イラク派兵差止め裁判をすすめる会

             連絡先   弁護士 辻 公雄   TEL.06-6943-4910


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